身体の感覚の種類分けについて
こんにちは、しのです。
今回の記事では、細かい感覚の種類分けについて説明していきます。
前回の記事では、
脳の感覚処理(情報統合)が上手にできず、感覚の処理において苦手な分野がある
という内容でした。
記事の中に、そういう子たちの苦手な傾向5項目をあげました。
1 体幹の筋力が弱い、姿勢が悪い
2 指先が不器用
3 注意が持続しない、衝動的に動きやすい
4 疲れやすい
5 運動が苦手、身体がぶつかる
これらには理由があります。
その理由の説明のため専門的な細かい内容になるので、具体的にどうしたらいいか・練習方法に関して知りたい方、本記事はとばして次の記事へどうぞ。
目次
- 触覚
- 前庭感覚
- 固有感覚
- 身体図式(ボディイメージ)
1 触覚
触った感覚・触られた感覚です。
2 前庭感覚
簡単に言うと、バランス感覚です。
厳密には、加速・減速、傾き、回転を感じる感覚です。
エレベーターに乗っている時、上に上がる感覚、下に下がる感覚、ジェットコースターでふわっと浮く感覚も前庭感覚です。
身近な遊具だと、滑り台やブランコが該当します。
3 固有感覚(深部感覚)
深部感覚の方がイメージが湧きやすいと思うため、以降深部感覚と記載していきます。
身体の深いところの感覚、とイメージして下さい。
例えば、目を閉じていても右腕がどれくらい曲がっているのか、伸びているのか、指が伸びているのか、曲がっているのか、大まかにわかると思います。
これには
・どのくらい腕を曲げているか?という関節位置覚
・どの方向に腕を曲げているか?という運動覚
など、さらに細かい感覚の種類分けがありますが
簡単に言うと、筋肉に力を入れる感覚です。
身近な遊具であると、ジャングルジムや木登りなどなど...
4 身体図式(ボディイメージ)
上記の3項目が主に脳の発達の大きな主軸としての役割を果たしています。
・布団に入ったとき、全身に触れる布団の感覚
・お風呂に入ったとき、全身に纏わりつくお湯の感覚
これら触覚は、自分の身体の大きさを教えてくれます。
・身体が斜めっている感覚
・落ちている感覚 ... などなど
これら前庭感覚は、自分の身体の傾きを教えてくれます。
・腕に思い切り力が入っている感覚
・腕はここにある、という感覚
これら固有感覚(深部感覚)は、自分の筋肉の感覚を教えてくれます。
これら3つの感覚から、外界に対して自分の身体の境界線、というイメージを作ります。
自分の身体の境界線、というのはつまり
肌に触れるか触れないか、どのくらい近付けば身体がぶつかるかのどうか、という境界線のことです。
これが身体図式(ボディイメージ)といいます。
自分の身体がここにある、とわかるのは安心感をもたらします。
もしも、身体図式ができていないと、
・運動の際に、自分の手足を見て確認しながらの運動
・身体の大きさを把握していないため、身体がぶつかる...などなど
身体のイメージが薄いことによる問題が起こってしまいます。
では、具体的にどういった練習をしたらいいでしょうか?
次次回の記事に書いていきます。
次回の記事は、感覚の種類が分かったことで、具体的にどんなことが起こるのか、説明していきます。
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落ち着きがない子ども、どうして落ち着きがないの?
こんにちは、しのです。
落ち着きがない子どもをテーマに今回の記事を書いていきます。
私自身、「落ち着いたね」と言われた学童期はなく、
学校の通信簿では“落ち着いて話を聞ける”という項目の横には
常に × が書いてありました。
流石にもう落ち着きました。
実際に私自身の経験も交えて、こんなことを考えてた・感じてた、という
ことまで含めて書いていこうと思います。
目次
- どうして落ち着きがないの?
- 脳の情報処理について
1 どうして落ち着きがないの?
周囲から見ると、不思議に映っていると思います。
落ち着いて話が最後まで聞けない、ふらふらと動き回ってしまう、じっと座っていられない などなど...
これらには理由があります。
例えば、ジェットコースターに乗る前、気分が高揚する方、または逆にげっそりする方もいることでしょう。
気分が高揚する方は、ウキウキして活動的になると思います。よく話す、目線が動く、手足が動く などですね。
げっそりする方は、活動的ではなくなると思います。手を握ったり、口を触ったり、目を閉じる など。
これらの行動は、自分が落ち着くためにとっている無意識の行動です。
身体の底から湧き出る欲求と思って頂ければ良いと思います。
その欲求が、落ち着きのない行動、として行動に現れているのが
落ち着きのない子どもです。
実際私も小学生の時、授業中にじっと座って話を聞くのが本当につらくて。
お尻のあたりがムズムズムズムズして、じっとしていることがきついんです。
怒られる辛さよりも、じっとしてる辛さの方がきつくて、椅子を揺らすか、貧乏ゆすりをしているか、床に寝転がっていました。
そんな落ち着きのない子たちに当てはまりやすい傾向が以下の通りです。
- 体幹の筋力が弱く、ぐにゃぐにゃしている、座っているときの姿勢が悪い
- 指先が不器用
- 注意が持続しない、衝動的に突発的な行動をとりやすい、耳から入る音の情報よりも目から入る情報に左右されやすい
- 疲れやすい
- 運動が苦手、身体がぶつかってしまう
上記の5項目と落ち着きがない、がどうして関係あるの?と思うかもしれませんが
脳の発達には、感覚という経験値・栄養が必要なのですが
そもそも経験値・栄養が不足していると、脳の情報処理(感覚の受信)が難しく、
脳の情報処理が難しいと、落ち着かなくなる
そのため、落ち着くため足りない栄養(感覚)を求めて動き回る。
ということが起こっています。
2 脳の情報処理
脳の発達とは、認知面と運動面、双方少しずつ上達していくものです。
例えば、お母さんに読んでもらう絵本の文字を追いかけて読むだけでも
- 文字を追いかけていくために、目の運動が必要
- 目を思い通りに動かすために、首がすわっていないといけない
- 首がすわるためには、体幹がしっかりしていないといけない
- 絵本を読んでもらっている、ということへの理解
- 注意・集中の持続
などなど
簡単そうに見えて、複雑なことを沢山しているのです。
それを同時に処理していくことを、感覚を統合する、というのですが
脳が感覚を統合することで、絵本の読み聞かせが成り立つのです。
もしも、
- 目の動きが上手でなかったら?
- 体幹の筋力が弱く、座っている姿勢がきつかったら?
- 絵本を読んでもらっている、という状況が理解できなかったら?
- 気になる別のものがあり、そちらに気を取られていたら?
絵本の読み聞かせが成立しなくなりますね。
無意識にしている運動やコミュニケーション、日常生活における活動とは
複雑な要素が噛み合って、やっと出来ているんですね。
その複雑な要素のうち、いくつか苦手な要素があると
落ち着いて話を聞くや、じっとしている、ということが苦手になります。
それらの苦手な要素を少しずつ練習していけば改善されていきます。
では、どのように練習していけばいいのでしょうか?
どんな練習が必要なのでしょうか?
という内容で次回記事を書いていきたいのですが、
次回記事は、より深くどんな練習をすればいいかを理解するために
細かい感覚の種類分けを記事にしていきます。
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小児・発達分野で働く、作業療法士の仕事とは?
こんにちは、しのです。
今回の記事では、作業療法士の私の仕事について触れていこうと思います。
- 作業療法士の仕事
- 感覚統合療法
- 発達障がい
1 作業療法士の仕事
作業療法士とはどんな仕事か、コアな仕事なのでご存知でない方もいると思います。
Wikipediaより抜粋します
作業療法士は、理学療法士及び作業療法士法第15条により診療の補助として作業療法を行なう。2010年4月30日の医政発0430第1号より、理学療法士及び作業療法士法第2条第1項の「作業療法」については、同項の「手芸、工作」という文言から、「医療現場において手工芸を行わせること」といった認識が広がっている。
以下に掲げる業務については、理学療法士及び作業療法士法第2条第1項の「作業療法」に含まれるものであることから、作業療法士を積極的に活用することが望まれる。
- 作業療法士が食事訓練を実施する際などの喀痰等の吸引
- 移動、食事、排泄、入浴等の日常生活活動に関するADL訓練
- 家事、外出等のIADL訓練
- 作業耐久性の向上、作業手順の習得、就労環境への適応等の職業関連活動の訓練
- 福祉用具の使用等に関する訓練
- 退院後の住環境への適応訓練
- 発達障害や高次脳機能障害等に対するリハビリテーション
まとめると
“手工芸を主に行わせる、食事訓練や喀痰吸引、家事や外出の訓練、就労や福祉用具の訓練、退院後の適応訓練、発達障がいや高次脳機能障害に対するリハビリテーション”
と書いてあります。
まだいまいち分かり辛いですね。
もっと簡単に言うと、“生活するうえで満足度を向上させるためのリハビリを行う職業”です。
そのためのリハビリテーションの手段として手工芸を行なったり、あるいは食事訓練や外出訓練、福祉用具の訓練から退院後の適応訓練など、行なっていきます。
その中でも、発達障がいに対するリハビリテーションは、また少し上記の内容とは異なり、“感覚統合療法”と呼ばれる治療法をメインに行っています。
2 感覚統合療法
“感覚統合療法”とは
「脳への経験値、または栄養(感覚)となるものを取り込みやすい形で提供し、脳の発達を促す」
というものです。
発達障がいの子たちは、脳への経験値、または栄養が取込みづらい、という特徴を持っています。
誤解しないで頂きたいのは、取り込みづらいというのは“特徴”なのであって、脳に問題がある、ということではないのです。
運動が得意な子がいるように、苦手な子もいます。それらと同じ、特徴なのです。
その特徴に合わせて、必要な量を必要な分だけ、取り込みやすい形で提供するのが、感覚統合療法です。
3 発達障がいの子どもたち
保育園や幼稚園、小学校や中学校、高校に至るまで
クラスに馴染むことが難しそうな子
音読が苦手な子
すぐに転んでしまう子
コミュニケーションが独特な子
などなど、特徴的な子は周りにいませんでしたか?または、いませんか?
それらには、全て理由や原因があるのです。
その子たちが、少しでも生きやすく生活するためのお手伝いをするのが私の仕事です。
今後も、誰にでもわかりやすいブログを目指して記事を書いていきます。
よかったら読者登録の方、よろしくお願いいたします。
マイノリティ発達障がい「はじめに」
はじめまして。しのと申します。
訪問してくださり、ありがとうございます。
このサイト「マイノリティ発達障がい」では、“発達障がい・精神障がい、保育・教育”に関しての記事を書いていきます。
どうして子どもは落ち着きがないのだろう?
発語が遅いのはどうして?
など、具体的なテーマを決めてアップしていきます。
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自己紹介
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ブログ紹介
自己紹介
現役作業療法士をしています、しのと申します。
元々私自身、集団生活に適応することが苦手な少数派の人間で、生きづらさを感じながら日々を生きています。
幼稚園の時より集団生活への適応が難しかった私は、定期的に登園拒否、登校拒否を繰り返しながらも、徐々に慣れてくると園や学校へ行く、という幼児期〜学童期を過ごしていました。
高校生の時、親の転勤をきっかけに大きな環境の変化についていけず、完全に学校へ行けなくなってしまいました。また、部屋からも出られず、引きこもりとなり、双極性障がいを患いました。現在進行形で治療を続けています。
心療内科へ通院しながら、ようやく登校拒否から一年後に通信制高校へ通えるようになり、高校を4年かけて卒業しました。
その際に「どんなに気をつけても、メモをとっていても忘れ物をするでしょう、注意障害です」と診断されます。
「学校が嫌いな子どもたちは、誰の話なら信じられるだろう?」「学校が嫌いな人が先生にならなければ、その子たちの気持ちは分からないのではないか」と思い始め、教員になるべく大学へ行きました。
しかし、大学へ行き教育実習で「学校でなく医療の方からのアプローチの方が自分のやりたいこととマッチしているのではないか」と考え直し、晴れてリハビリの専門学校へ入学し直して、作業療法士となりました。
興味のあることは忘れないのですが、興味がないと記憶からどんどん消えていってしまう特徴を持っています。
ピアノで新しい曲の練習に入った途端に前の曲が弾けなくなる、クラスが変わると名前が思い出せない、などです。
得意な分野は、数学や現代国語です。自分の世界に入って、集中して考えることが得意です。
不得意な分野は、地理や歴史です。人の名前や年代などの、名詞や数字に意味がないと覚えられません。
発達障がい・精神障害を双方経験し、また医療者としての目線も持っているということが私の強みです。
ブログ紹介
自身の経験談も交えながら、発達障がいの解説や効果的な接し方、感覚統合療法などを記事にしていきたいと思います。
また、精神障がいに関しても、鬱や躁鬱などの国民病と呼ばれるものの解説や、自分が楽になる考え方のコツを記事にしていきます。
専門的な話をすることになりますが、なるべく万人が分かりやすい形で書けたらと思っています。
ただ、文章は素人のため読みづらい箇所や誤変換などもあると思いますが、お付き合い頂けたら幸いです。